「遺伝子検査」日本のレベルは?

遺伝子検査キットを利用して様々な事が調べられます。
親子関係、子供の才能、ダイエット、~
この検査に関しては、病院など医療機関を通さないことから「DTC(Direct-To-Consumer)遺伝学的検査」と呼ばれています。

「最先端科学の粋」を謳うこのビジネスですが、果たして信憑性はいかがなものなんでしょうね。
医療における遺伝学的検査とは異なりますので結果に対しての精度が気になります。
また、日本においての遺伝子検査とは諸外国に比べてどうなんでしょうか。

【遺伝学的検査】とは?

「遺伝子検査」という言葉がちまたでもポピュラーになってきました。
それには、遺伝子やDNAというものが一般人でも取り扱える検査として広まってきた背景があります。
記憶に新しいところでは、芸能人のスキャンダル報道で一時話題になった「親子遺伝子」の件があります。

へ~、自分の子かどうか意外と簡単に調べられるものなんだなぁ・・なんて思ったのではないでしょうか。
また、女優のアンジェリーナ・ジョリーさんが、乳がんを予防するために乳腺を切除したというニュースも世間を驚かせましたよね!

遺伝子検査の結果による、著名な女優が世間に与えた「予防的手術」のインパクトは強烈でした。
これにより、日本でも遺伝子検査への注目度が急激に高まったと言っても過言ではありません。
そのような流れで、民間によるDTC遺伝子検査各社が競うように進出してきたようです。

遺伝子検査と言っても、必ずしも世間一般的に認識している検査だけをさすわけではありません。
例えば、体外から侵入して感染症を引き起こす病原体を検出・解析する検査があります。

これらは、がん細胞など、もともと親から引き継いで持っていた遺伝情報ではありませんが、このように 生後に「一部の組織の細胞の遺伝子に起きた変異を発見する検査」のことも遺伝子検査と言う場合があります。

我々が良く認識している「子孫に受け継がれる情報を扱う検査」は医学界では《遺伝学的検査》と呼んでいます。
ちなみにアンジェリーナ・ジョリーさんが受けた検査も《遺伝学的検査》に当たります。

「遺伝学的検査」と「遺伝子検査」が混同される問題点

ジョリーさんのケースでは、遺伝性乳癌卵巣癌との相関性が極めて高い単一遺伝子「BRCA1」に変異を保有していることが検査で発覚。
これにより、将来的に9割近い確率で発ガンすることもわかったわけです。

BRCA1」という単一の遺伝子の影響により、将来の乳ガンや卵巣ガンの発症リスクが極めて高いことが判明した結果、本人の強い意思により予防的切除術に踏み切りました。

BRCA1とは

がん抑制遺伝子のひとつ。BRCA1遺伝子の変異により、遺伝子不安定性を生じ、最終的に乳癌や卵巣癌を引き起こす。BRCA1の転写産物であるBRCA1タンパク質は他の多数のとともに核内で大きな複合体を形成し、相同性による遺伝子の修復に関わっている。出典元:ウィキペディア

日本におけるDTC“遺伝子検査”の問題点

ジョリーさんが検査実施した「医療としての遺伝学的検査」と違い日本(民間)の「DTC“遺伝子検査”」では扱う遺伝子が違います。

DTC“遺伝子検査”が扱うのは「多因子疾患」

単一遺伝子に因らない通常のがんや高血圧・糖尿病・肥満など。
これらの疾患は、膨大な数の遺伝子一つひとつによる、少しづつの関与に加え様々な生活習慣が複雑に絡み合っています。

日本(民間)の「DTC“遺伝子検査”」では前述の「医療としての遺伝学的検査」含め、どれも一緒に“遺伝子検査”と呼び表されているフシがあります。
混同している感じがするのです。
具体的な治療と定義・概念の違いを見てみましょう。

疾患の定義の違い

医療における遺伝学的検査 DTC“遺伝子検査”
単一の遺伝子異常が『決定論的』に挙動する疾患で、なおかつ治療・予防が可能な場合にのみ医師が診断を下して治療に当たる。 疾患や体質の傾向、子どもの才能に関する遺伝子傾向がわかる。あくまで傾向という話で科学的に裏付けがあるわけではない。その理解を前提に検査結果を踏まえる必要がある。

1つの項目に該当する遺伝子の数は膨大な数で形成されています。
例えば、成人の身長に関する遺伝情報のバリエーションは現在約700個ほどが報告されています。
(※ネイチャージェネティックスで発表された論文)

もう一つ項目で説明しましょう。

例2)「難聴に関係する遺伝子」は既知のものだけでも70ほど存在していた

難聴に関連する遺伝子の変化に対する判定は『正常(健聴)』か『異常(難聴)』しかありません。
『正常よりも優れた聴力』といった判定は存在しないのです。

また、『正常(健聴)』とは『耳が良く聞こえる』=『音楽の才能がある』では決してありませんよね?
当然、”耳が良く聞こえるから音楽の才能がある”とは言えないと思います。

医療の世界ではあくまで『難聴』の際に解析する遺伝子の変異を調べている項目です。
もし、この検査を民間企業が『音楽の才能』の項目として挙げているならどうでしょう。
しかも、70もある遺伝子のたった1つしか調べなかったら?

極端な例かも知れませんが、遺伝子検査キットなどを受ける際の判断基準の一つとしては参考になるのではないでしょうか。
注意点としても、覚えておくと良いでしょう。

これは前述した「身長に関する遺伝情報のバリエーション」もしかりです。
調べた検体が1/700しかない手掛かりでは、確定的な事実は傾向ですら見つからないのでは、と思ってしまいますよね。

この実態だとすると、検査する企業によって結果がまちまちであると言う理由がよくわかります。
企業により選ぶ情報も、根拠とする論文も違うので選ぶ際は良く調べた方が良さそうです。

メディア(フジテレビ「ノンストップ」日本テレビ「ザ!世界仰天ニュース」~)で話題の【ジーンライフ】
遺伝子検査のジーンライフ<Genesis2.0>

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